ボーイズ・オン・ザ・ラン 花沢健吾
俺は何で、走るんだ。 ―田西敏行―
凄い漫画を見つけた。
魅せる作品というのはこのことを言うんだろう。話自体は大した物じゃない。その辺に転がっててもおかしくないような話だ。でもヒーローなんていない世の中の甘くない現実をバッサリ描くということを疾走感を失わずやってのける。エンターティメントには多かれ少なかれ甘い幻想が付き物だがそんな物は一切無い。痛い現実が痛いほど伝わってくる。読んでて見てられない。これほど逃げ出したくなるような作品ちょっとない。
何で走るのか。「たった一つの冴えたやり方」*1を知らないから。若い内なら走ってれば見えてくることもあるだろう。でも他に方法を知らないから、若くなくたってまた走るんだ。
田西、ガンバレ。
*1:死ぬことが最善だと思った、とか言う揶揄は含みません。念のため。