ブギーポップバウンティング ロスト・メビウス 上遠野浩平


ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス (電撃文庫)

君の胸の奥のその「動機」とやらは、実は空っぽなんじゃないのかい・・・・・・?

ブギーポップシリーズの特徴として
目の前に困難が現れた時に人はどうするか
というものを書き続けているというのがあると思います。
さしずめ今回のテーマは「強さ」ではないでしょうか。
「迷い」が無いゆえに強く、またそれゆえ脆い蒼衣と
「迷い」があるゆえに弱く、またそれゆえに強い織機の対比はなかなか面白いです。
作者の文体が非常に乾いた、客観的なものであり
どちらがどう、という主張はあまり感じとれない反面
その辺の判断は読者に任せられているのかなと感じます。


実はこのシリーズ、これで12作目。
高校生くらいの時に初作「ブギーポップは笑わない」が出てから延々読み続けてます。
いいかげんやめたいのだが先が気になって止められないシリーズ。
というのも、毎回尻切れとんぼなのですよ。
結局なんだったのか、という謎は一切解明されないこのシリーズは
もやもやしたまま終わるため次が気になってまた買ってしまうという。
もうちょっと読者の読後感(とサイフ)にやさしい話にして欲しかったりもします。
ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生 (電撃文庫)位までは文句無く面白かったのですが
その後ちょっとパワーダウンの気配。
まぁ、今回でやっとオチが見え始めてきた
というかオトす気があることがわかった*1のでもうちょっと付き合います。

*1:ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター〈PART1〉 (電撃文庫)この辺に落とすらしい。またエラく前だな…