きみのカケラ(5) 高橋しん
クジラの怒りも 壁の怒りも 「誰か」のせいではない! この国みなの罪――私の罪! だがまだ間にあう! みな生きる権利はある! みな私の国の民! この非力な王女が死なせはしない! 共に… みなでがんばって みなで…みんなで生きて帰るのです! ―イコロ―
かなり早足で駆け抜けてしまった*1週間連載を補完するお話。
いわゆるジュヴェナイル物なのですがこういうのを好んで読む、というのは昔を懐かしむ感情のひとつなんでしょうかね?歳を取ったと言うことか。
前回(d:id:grasswonder:20050318)話の盛り上がりがイマイチ的な事書きましたが、この巻は良いです。あの絵柄でも違和感の無くスピード感のあるアクションも描けるもんなのだな、と認識を新たに。その展開のスピードの中でも高橋しんが得意とする所(多分)の感情の機微も上手く描けてます。多くは書き足しによるものですが、この巻は名作かもしれない。
ただ、雑誌掲載分と書き足し分でイコロの顔が違うので書き足し分がすぐわかっちゃうのがアレ。イコロやヨナが急に大人っぽくなっちゃうのはやや違和感があります。いや、ジュヴェナイル物としては狙ってやってるのかもしれないな。
帯に「待望の映画化最終兵器彼女の高橋しん最新作」とありますがサイカノって実写になったの?絶対失敗すると思うけどなぁ。じっくりやらないと面白くない作品をネームバリューだけで映画にするのは止めた方が良いかと。札幌空爆とかちせ(最終兵器)の動きとかののCGは上手く行ったがそれだけ、っていうデビルマンの二の舞になりそうな悪寒*2。
と思ったら、やっぱり失敗だったようです。
*1:というか、もう忘れた。オチはうっすら覚えてる。救いの無い話だった希ガス。
*2:「寄生獣」もハリウッドで映画化らしいが、きっと失敗する。d:id:grasswonder:20050721