古畑任三郎 FINAL
面白かったです。これで終わりなのは勿体無い。
三谷幸喜はやっぱり上手いなぁ。買っちゃおうかなぁ、これ。
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個々の感想は下(ネタバレ有り)。
「今、蘇る死」
これほど完璧な殺人計画を私は知らない、と古畑に言わせた割には運に頼った杜撰な計画な感じ。危険な実験をする前には検算しましょう、という教訓*1は残りました。
この一連のシリーズの中で、最後まで犯人が判らないというのは新たな試みなのかもしれないけど*2。ただ、上手く行っちゃった以上完璧な結果を産んだわけで。杜撰であるが故に論理的な関連性を立証出来ないのですね。
古畑初の敗北か、と言う所で15年前に戻る。これにははっとさせられた。そうか、それで「今、蘇る死」か、と。逆転のカードは最後まで残しておく所は流石。
今まであんまり意識してなかったんですが藤原竜也の演技は凄いね。ラジコンカーで無邪気に遊んでたかと思うと、ポップコーン食べながら気味の悪い笑いを浮かべて計画を練り、そして何食わぬ顔で古畑たちを監視すし、最後も操られていると気づかないまま死んで行く、と音也の狂気が上手く引き出されてました。*3
そして、なんでハニートースト…。Lか?Lなのか??
「フェアな殺人者」
イチロー上手いな。キムタクが声優やって違和感無かった時も驚いたが*4これはもっと驚きました。
湿ったマッチ箱ひとつからイチローまで辿り着く過程は非常にゾクゾクしました。イチローに事情聴取した時点ですでに疑っていた、というのも古畑らしい洞察力が発揮されてて、とても良い。最後には必ず自白させてみせます、というセリフも格好いい。が、オチが頂けない感じ。世界一の肩を…ってのもイチローじゃなくても出来そう。向島君が実は甲子園出場者だったのなら、やってやれない事はないんじゃないかと思っちゃう。というか、私ならゴミ箱に捨てますが。ホテルなら翌日には辿れなくなるんじゃない?せっかくイチローをイチローとして出すんだからもっとイチローらしい隠し方出来ない物だったのか、と思います。
…
……思いつかないけどね。
「ラスト・ダンス」
これは面白かった。
双子が入れ替わるという話はよくあるし、「あなた、時々変な事思いつくわよね(うろ覚え)」で入れ替わったかな?と思ったものの、もみじのその後のアリバイ作りの鮮やかさがそれまでのもみじとあまりに印象が違う事、「加賀美京子」から独立されそうになってなんとなく渋っていたように見えた「かえで」が「もみじ」を殺すならわかるけど、逆はないだろうという私の先入観と西園寺君のミスリードもあって入れ替わってんじゃないか、という事すら忘れてしまっていました*5。終わってみれば黄色いコートとか10分のトリックとかもみじでなければありえない訳で。筆跡鑑定でもみじの遺書と判明、と言われて古畑が「彼女」が犯人と断定するまで完全に騙されてました。口紅なんていわれるまで気がつかないよ。言われてみれば私の友達も拭いてましたね。
ラストはまさに「ラスト・ダンス」に相応しい引き。綺麗にまとまってて良い最終話としては文句無しでした。
でも、鏡のトリックは意味あるんだろうか。かえではめったにもみじの元を訪れない訳だし、普通に姿見を買ってもいいんじゃない?と思ってしまった。
それにしても西園寺君、今泉君だけがブルガリ三四郎でモデルになってる役があることにキレたり、こっそり自分を売り込んだりするあたり可愛いですね。というか「ブルガリ三四郎」観たいんですけど。